与信管理担当者の「いま知りたい」「詳しく知りたい」にお応えします。
SMART

【第三回目】SMARTを使いこなそう!MCC格付の取得と実践的なビジネス活用術

与信管理教育

こんにちは。三井物産クレジットコンサルティング(MCC)編集部です。

「SMARTって何ができるの?」といった疑問にお答えした前回に続き、今回はSMARTの核心機能である「MCC格付」に焦点を当てます。MCC格付をどうやって取得するのか、そして、それをあなたのビジネスで具体的にどう役立てるのか、3つの活用事例を通して分かりやすくご紹介します。

この記事を読めば、SMARTのMCC格付をすぐにビジネスで活かせるようになるはずです!

1.MCC格付とは?SMARTが示す企業の信用力

SMARTの心臓部ともいえるMCC格付は、企業の信用リスクをS1~S9cの15段階で評価する、MCC独自の指標です。S1が最も高い評価で、数字が下がるほど信用リスクが高まることを示しています。

これは、単なる感覚的な判断ではありません。三井物産が培ってきた独自の財務分析ロジックに基づき、客観的かつ信頼性の高い指標としてご利用いただけます。MCC格付を理解することで、あなたが取引しようとしている企業の「信頼度」を、確かなデータとして一目で把握できるようになります。

2.MCC格付の取得方法:SMARTの簡単なステップ

それでは、実際にSMARTでMCC格付を取得する手順を見ていきましょう。とても簡単なので、ぜひお手元で試してみてください。

ステップ①:企業を検索して与信判断を開始する
調べたい企業の情報を入力して、与信判断を開始します。


1.SMARTの左側メニューから「企業検索」を選択

2.調べたい企業の「TSRコード」や「企業名」等を入力

3.該当企業が表示されたら、企業名横の○にチェックし、下にある青い「与信判断」ボタンをクリック

※「与信判断(売)」は販売先(あなたにとって売掛金が発生する相手)、「与信判断(買)」は仕入先(あなたが買掛金を支払う相手)を選ぶときに使います。

ステップ④:MCC格付を確認する(※ここから課金対象です)
いよいよ、企業の信用情報を確認します。この操作で初めて課金が発生しますのでご注意ください。

1.表示されたページの中央下にある緑の「SMARTデータ利用(課金対象)」ボタンをクリック

すると、その企業の**「MCC格付」(S1〜S9cの15段階評価)**が表示されます。これが、あなたのビジネス判断をサポートする重要な情報です。

ステップ⑤:取引先ファイルに登録する(必要に応じて)
「この企業の格付情報を今後も継続的に確認したい」という場合は、取引先ファイルに登録しておくと便利です。

1.与信判断結果の下に出てくる「ファイルに保存」をクリック


2.「取引先コード」、「取引先名」を設定。
※他にも与信限度額や担保価値など、貴社独自の管理項目も入力可能です。


3.ページの下にある「取引先ファイルへ登録(課金対象)」をクリック

これで取引先ファイルの設定は完了です。
登録しておくことで、様々なデータを蓄積することができ、一元管理ができます。

3.【格付特化】MCC格付のビジネス活用3選!

MCC格付の取得方法はご理解いただけたでしょうか? 次は、取得した格付をあなたのビジネスでどのように活用できるのか、具体的なシーンを3つご紹介します。

活用事例1:新規取引のスピード判断!営業効率をアップ

こんなシーンで: 新しい顧客からの問い合わせや、展示会で知り合った企業など、初期段階で相手の信用力を手早く確認したい時。

MCC格付の活用法: 営業担当者がSMARTで対象企業のMCC格付を素早く確認します。たとえば、S1~S3といった上位格付なら「積極的にアプローチを進めよう」、S7以下など下位格付なら「慎重にアプローチをしよう」、S9cなどリスクの高い先は「取引を控えよう」といった社内ルールに基づいた一次判断が瞬時に可能です。これにより、リスクの高い案件に無駄な時間とリソースを費やすことなく、営業活動の効率を大幅に向上できます。

得られるメリット: 営業活動の効率化、リスクの高い商談の回避、初期判断の迅速化。

活用事例2:社内稟議の説得力アップ!客観データでスムーズな承認を

こんなシーンで: 新規の大型契約や重要な取引を開始する際、上層部への稟議書に信用情報を加えて提出する必要がある時。

MCC格付の活用法: 稟議資料に「この会社はMCC格付S2であり、信用力が高いと判断できます」といった客観的な根拠を記載します。これにより、主観ではなくデータに基づいた判断として受け入れられやすくなり、稟議の承認プロセスが格段にスムーズになります。提案の説得力が増し、担当者としての信頼性も高まるでしょう。

得られるメリット: 稟議通過の円滑化、社内コミュニケーションの効率化、担当者の信頼性向上。

活用事例3:与信管理を効率的に!マトリクス表を作成し、濃淡管理を行おう

こんなシーンで:与信管理を効率化したい、新たな与信基準を作りたい時。

MCC格付の活用法: MCC格付の各段階が示すリスクレベルを参考に、自社の取引方針やリスク許容度と照らし合わせながら、社内独自の与信基準を策定する際の基礎情報として活用できます。格付×債権高でマトリクス表を作成、「Aに当てはまるところはリスクが高い、又は影響が大きいので、決裁権限は役員とする」「Dはリスクが限定的なので、決裁権限は課長まで」といった具体的なルールを設けることで、効率的かつ担当者ごとの判断のブレを抑えた、会社全体として一貫性のある与信管理体制を構築できます。

得られるメリット:社内ルールの明確化、判断基準の標準化、与信管理の効率化。

 


まとめ:MCC格付で、あなたのビジネス判断をより強く

SMARTのMCC格付は、単に企業の信用力を示すだけでなく、あなたのビジネスにおける様々な意思決定を強力にサポートするツールです。シンプルでありながら、客観性と信頼性に裏打ちされたこの情報が、あなたの攻めの経営を支え、リスクをコントロールする手助けとなるでしょう。

はじめは操作や見方に戸惑うことがあるかもしれませんが、日々の業務に取り入れることで、判断の精度とスピードが自然と高まっていきます。ご不明な点があれば、専門スタッフが丁寧にご案内しますので、お気軽にご相談ください。 この記事が、皆様の円滑なサービス利用の一助となれば幸いです。 次回は、SMARTの機能を深堀!MCC格付と合わせて確認したいポイントをご紹介します。どうぞお楽しみに!

与信管理業務を
ワンストップでサポート

精度の高いMCC格付を主軸とした
取引先与信管理サービス『SMART』は、
国内・海外企業の与信管理を行うためのサービスです。

詳細はこちら

CONTACT

資料請求・お問い合わせ

与信債権管理に関する総合コンサルティングなら
三井物産クレジットコンサルティングにお任せください。