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【第四回目】SMARTを使いこなそう!機能をさらに深掘り、MCC格付と合わせて確認したいポイント
こんにちは。三井物産クレジットコンサルティング(MCC)編集部です。
前回に続き、今回はSMARTのMCC格付についてさらに深掘りしていきます。MCC格付を取得すると表示されるさまざまな機能について、詳しくご紹介します。
この記事を読めば、SMARTのMCC格付をさらにマスターできるようになるはずです!
SMART活用術:さらに深掘り!MCC格付と合わせて確認したいポイント
MCC格付の表示画面には、あなたのビジネス判断をサポートする重要な情報が他にもたくさん詰まっています。つい見逃してしまいがちな部分もあるので、SMARTを上手に使いこなして、無駄なく情報を活かしましょう。
1.関連企業もチェック!代表者名検索のすすめ
調べたい企業がグループ会社を保有している場合、その全体像を把握することは非常に重要です。
活用法: SMARTの企業検索で「代表者名」を入力してみてください。その代表者が経営していると思われる他のグループ企業も表示されることがあります。これにより、取引先企業の事業規模や関連会社の状況まで視野に入れた、より包括的な与信判断が可能になります。

2.格付と合わせて「適正与信金額」を確認しよう
MCC格付が表示されたら、その隣にある「適正与信金額」も必ず確認しましょう。
ポイント: 「適正与信金額」は、MCCが推奨する取引金額の目安です。格付が高い企業でも、取引金額が適正与信金額を大幅に超える場合は慎重な検討が必要です。貴社のリスク許容度と照らし合わせながら、適切な取引額を判断する際の参考にしてください。

3.データソースで格付の精度を推測!
MCC格付の表示画面には、その格付が何の情報に基づいて算出されたかが示されています。「財務情報」に基づくのか、「企業情報」に基づくのか、確認しましょう。
ポイント:
●財務情報: 提出された財務諸表に基づいているため、より詳細で信頼性の高い格付と言えます。
●企業情報: 財務情報がない場合など、公開されている企業情報(業歴、資本金、従業員数など)から推測された格付です。財務情報に基づく格付よりも精度が劣る可能性があるため、この場合は他の情報も併せて慎重に判断しましょう。

4.「倒産確率」が示す意味とは?
MCC格付と併記される「倒産確率」は、その格付の企業が将来的に倒産する可能性を統計的に示したものです。
ポイント: これはあくまで統計的な確率であり、個々の企業の絶対的な未来を保証するものではありません。しかし、与信判断の際の重要なリスク指標として活用できます。格付と合わせて倒産確率を確認することで、より多角的なリスク評価が可能になります。

5.過去の推移からトレンドを把握!
SMARTでは、過去のMCC格付の推移を確認することができます。
ポイント: 一時点の格付だけでなく、過去の推移を追うことで、その企業の信用力が良化傾向にあるのか、悪化傾向にあるのかといったトレンドを把握できます。急激な格付の変動があった場合は、その背景を確認することも重要です。

6.与信判断画面で見落としがちな「会社状況」
与信判断画面のMCC格付が空欄(null)で表示されるケースがあります。その場合、対象企業の「会社状況」を確認するようにしましょう。
「会社状況」の種類とMCC格付の表示:
●MCC格付が表示される「会社状況」: “非倒産”、”復活”、”存在不明” の3つです。
●MCC格付が空欄(null)で表示される「会社状況」:
-
- “廃業”
- “休業”
- “被合併”
- “解散”
- “負債総額1,000万円以上”
- “小口倒産”
特に、「会社状況」が負債総額1,000万円以上”、”小口倒産”と表示されていた場合、対象企業は倒産していますので、取引の可否を判断する上で非常に重要な情報となります。必ず確認頂くことを推奨します。

7.倒産情報反映のタイムラグにご注意!
「会社状況」が”倒産”に変化する情報がSMARTに反映されるまでには、最大で2週間程度のタイムラグが発生する可能性があります。
SMARTへの倒産情報反映プロセス:
1.対象企業の「会社状況区分」が変化するケース:
○SMARTは、東京商工リサーチから「会社状況区分」情報を取得しており、月2回の頻度(月2回のシステムメンテナンス日)でアップデートしています。
○”倒産”に該当する「会社状況区分」は、”負債総額1000万以上”と”小口倒産”となり、これに該当すると「与信判断」の格付は空欄(null)となります。
○月2回のアップデートのため、最大で2週間程度のタイムラグが発生する可能性があります。
2.対象企業の信用不安情報が”倒産”に該当したケース:
○SMARTは、東京商工リサーチから日時(営業日基準)で信用不安情報を取得しています。
○対象企業の信用不安情報の種類が”倒産”だった場合、上記1の「会社状況区分」が”負債総額1000万以上”または”小口倒産”に該当していなかった場合でも、当該情報が「与信判断」へ反映され、その結果、格付は空欄(null)となります。
○こちらの信用不安情報の取得は日時(営業日基準)であるため、上記1のタイムラグを補う位置づけとなります。
※このケースで倒産情報をキャッチした場合は、「会社状況区分」がT(TSRによる倒産情報)となることがあります。
まとめ
今回ご紹介したSMARTの機能、あなたはいくつご存じでしたか?
MCC格付だけでなく、SMARTにはより精度の高い与信管理を可能にする機能が豊富に詰まっています。
これらの機能を総合的に活用することで、貴社の与信管理は格段に効率化され、事業のリスク耐性を一層強化できるはずです。
もし何かご不明な点がありましたら、どうぞ遠慮なく専門スタッフにご相談ください。
次回は、SMARTのモニタリングサービスの操作方法や活用事例をご紹介する予定です。ぜひお楽しみに!