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与信管理の知恵袋 Vol.32 与信管理でリスクヘッジ

債権保全策を検討中

こんにちは。MCC与信管理ラボ編集部です。

企業間の信用取引において、代金未回収のリスクをゼロにすることができません。

与信管理において、リスクを想定し、事前に回避策を定める「リスクヘッジ」は大変重要になります。

今回は、適切な与信管理が行われていない場合に生じる代表的な取引リスクと、リスクヘッジを行う上で重要になる内部統制についてご紹介します。

経営状況が悪化している企業との取引リスク

経営状況が悪化している企業は、支払能力が低下している場合があり、取引先としては好ましくありません。

企業の信用調査・審査を実施し、経営状況をよく確認した上で取引を開始する必要があります。

実際に、貸倒れによって売上債権(売掛金・受取手形等)が未回収になるケースは少なくありません。

商品やサービスの生産、営業活動に費やした人件費も無駄になってしまいます。

また、貸倒れを起こすことによって、管理の甘さが露呈する結果となり、自社のイメージダウンが起きかねません。

「契約を交わす取引先企業に支払能力があるのか?」というポイントは、与信管理で最も基本的な確認項目です。

取引開始後に取引先企業を取り巻く環境に変化が生じ、経営状況が悪化する場合もあります。

そのため、取引開始前の信用調査・審査に加えて、信用変動を捉えるモニタリングなど、継続的な与信管理によるリスクヘッジを行うことも重要となってきます。

信用供与ができない企業との取引リスク

一部の企業とは、関係性を持つこと自体が大きなリスクになるケースがあります。

反社会的勢力とつながっている企業はその例です。

しかし、簡易的な信用調査だけでは、通常の企業と判別がつかないこともあります。

過去に問題のある企業と取引していた事実が明るみに出れば、自社の大きなイメージダウンにつながります。

自社のサービス・商品の提供により、意図せずしてその悪事に加担しているように思われてしまう可能性もあるからです。

また、実態がない幽霊会社との取引も危険です。

このような会社は法人格を悪用するために設立されていることもあり、架空の取引や詐欺の被害に巻き込まれる可能性も考えられます。

与信管理には、取引先企業の財務内容や企業活動に不審点がないかをチェックする仕組みが必要です。

厳正な与信管理によって、信用供与ができない企業と意図せず取引してしまうリスクを軽減しましょう。

内部統制として与信管理のフローを確立

上述したように、不適切な取引先企業とのトラブルは多く存在します。

しかし、こうしたトラブルは、与信管理の社内フローが確立され、適切に与信管理が行われていれば防ぐことができます。

上場企業には、金融商品取引法により財務報告に関する内部統制の構築が奨励されています。

内部統制とは、「業務の有効性および効率性向上、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全」を目的として、社内全体で遂行されるべき業務プロセスのことです。

上場企業以外についても、与信管理のフロー確立が重要なことはいうまでもありません。

個人の主観に頼っている与信管理は、見直す必要があります。

与信管理規程を定め、社内全体で与信管理におけるルールを設定しましょう。

また、どんな取引先企業でも貸倒れの可能性はあるため、与信限度額(与信枠)の厳守を徹底することが重要になります。

さらに、やむを得ず与信限度額を超える場合や与信期間(回収サイト)が長期化する場合は、営業担当が無断で取引を行わないよう、申請を義務化することも重要です。

おわりに

個人では、適切な与信判断を行うことは困難です。

安定した経営を続けるためには、自社で内部統制による与信管理のフローを確立させ、リスクヘッジを行うことが求められます。

これらが整えば、リスクを最小限に抑え、安定した営業活動ができることでしょう。

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