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【導入事例】変革期を勝ち抜くための「与信管理の再設計」
こんにちは。三井物産クレジットコンサルティング(MCC)編集部です。
前回の記事では、新規事業の立ち上げや組織再編など、経営体制が大きく変わる局面こそ「与信管理の再設計」が重要であるとお伝えしました。
今回は、電力自由化という大きな転換点を迎えたエネルギー業界から、2社の取り組みをご紹介します。
規制産業が競争環境に放り込まれたとき、与信管理の現場では何が起き、どう乗り越えたのか。担当者の方々に伺いました。
ケース1:東北電力株式会社 様
「自分たちでは気づけなかった課題が、議論の中で次々と見えてきた」
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東北・新潟エリアのインフラを支える東北電力様。電力小売の全面自由化やエネルギー価格の高騰により、これまでとは比較にならない数の取引先と向き合う必要が生じていました。
しかし、社内に与信管理の専門チームがあったわけではありません。
「何から手をつければいいのか」、そんな状態からのスタートだったといいます。
MCCを選んでいただいた理由のひとつは、三井物産グループとして多様な業種・規模の取引を扱ってきた「実務の引き出し」があること。
教科書的なフレームワークを当てはめるのではなく、同社のリスク許容度や業務実態に合わせた指標設計を、対話を重ねながら進めました。
■ 取り組みの中身
・同社固有のリスク許容度に基づいた倒産確率の閾値設定と、信用力評価フローの構築
・専門家による仮説提示 → 現場担当者との検証を繰り返し、潜在的な課題を洗い出し
■ 何が変わったか
策定された信用指標が社内の「共通の物差し」として機能し始めたことが、最も大きな変化だったそうです。
営業部門と管理部門の間で「この取引先のリスクはどの程度か」を同じ基準で議論できるようになり、意思決定のスピードが上がった。加えて、明確な判断基準ができたことで、現場の社員一人ひとりが与信リスクを「自分ごと」として意識するようになったとのことです。
詳細はこちらから:【お客さまの声】東北電力株式会社様 – 導入事例 | 三井物産クレジットコンサルティング
ケース2:北海道電力株式会社 様
「借り物のルールではなく、自分たちの言葉で語れる仕組みが欲しかった」
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2016年の電力自由化は、北海道電力様にとっても大きな転機でした。
それまでは「すべてのお客様に電気を届ける」という公共的な使命が事業の中心にあり、取引先の信用力を細かく見極める必要性は限定的だった。
しかし自由化以降は、自社の経済性を守りながら競争する局面が増え、従来のコスト転嫁モデルでは対応しきれないケースが出てきたといいます。
さらに難しかったのは、社内の一部に独自の審査ルールが存在していたこと。全社統一の管理体制を作るには、それらとの整合性も取らなければなりません。
MCCとのプロジェクトでは、この複雑な状況に対して3つのフェーズに分けた段階的なアプローチを採用しました。
■ 取り組みの中身
1)現状診断フェーズ:関係各所へのヒアリングを通じて、組織全体の課題を可視化。「リスク管理は管理部門の仕事」という空気を変えるきっかけにもなった
2)制度設計フェーズ:同社の企業風土や現場の想いを汲み取りながら、何度も議論を重ねてポリシーを策定。「型にはめる」のではなく、納得感のあるルールづくりを重視した
3)制度設計フェーズ:浸透支援フェーズ:策定したルールが「絵に描いた餅」にならないよう、実務への落とし込みまで伴走
フェーズごとに契約を区切ることで、進捗を確認しながら柔軟に進められた点も、同社にとって安心材料だったそうです。
■ 何が変わったか
最終的に出来上がったのは、外部から持ち込まれたテンプレートではなく、同社の言葉で書かれたリスク管理ポリシーでした。
プロジェクトを通じてMCCのノウハウを吸収しながら自社専用の仕組みを作り上げたことで、担当者の中にリスク管理の専門性が蓄積され、市場環境が変わっても自律的に対応できる基盤が整ったといいます。
詳細はこちらから:【お客さまの声】北海道電力株式会社様 – 導入事例 | 三井物産クレジットコンサルティング
まとめ
今回ご紹介した2社に共通するのは、「業界の変化に合わせて、与信管理の前提そのものを見直した」という点です。
ルールや体制は、作られた当時の事業環境を前提にしています。事業の形が変われば、管理の形もまた変わって当然です。
自社の与信管理が「いつの事業環境を前提にしたものか」——
一度、棚卸ししてみる価値はあるかもしれません。
ご関心をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。