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与信管理のプロが教える財務分析のしかた Vol.7 運転資金(後編)

財務比率を計算する電卓

※ 前回の記事(運転資金(前編))はこちら

こんにちは。MCC与信管理ラボ編集部です。
前回の記事では、運転資金の計算方法と、その評価方法について解説しました。
今回は、与信判断を行う際に、取引先の資金繰りを知るうえで着目すべきポイントをお話します。

過大在庫は 「罪庫」?

「在庫を減らせ!」 とはよく言われることですが、在庫を減らすことは運転資金を減らすことに繋がります。

売れ筋商品を見誤ったり、需要予測を誤ったりすることで過大在庫を抱えることとなりますが、過大在庫は、「在庫 = 罪庫」 と言われる程、企業の資金繰りを悪化させ、企業経営の足を引っ張ることとなります「利は仕入にあり」 という言葉もある程です。 

実際には、在庫を減らすことよりも在庫を増やさないようにすることに注意を向けるべきでしょう。

在庫は長く抱える程、毀損、減耗、品質低下等により商品価値は低下し、結局資金化が出来ず、資金繰りにも影響します。

決算時においても評価損を計上することになりますので、損益的にもインパクトを与えることになるのです。

与信判断を行う際は、取引先の決算書を参照し、「過大な棚卸資産を保有していないか」、「棚卸資産が急に増加していないか」を必ず確認しましょう。

取引先の仕入債務回転期間から資金状況・事業環境を推測する

仕入債務回転期間については、前回の記事で触れていますが、取引先の仕入債務回転期間を見ることで、資金状況を推察することができます

前期決算と比較した場合、売上債権回転期間と棚卸資産回転期間の合計にほぼ変動がなく、仕入債務回転期間のみが長期化しているのであれば、運転資金に余裕がある状態です。

一方、短期化している(特に、売上債権回転期間と棚卸資産回転期間の合計を下回っている)のであれば、運転資金が以前より減少しており、借入金等により資金調達を行っているのではないかと推測できます。

また、別の観点から言うと、前期と比較して取引先の仕入債務回転期間が短くなっている場合は、取引先の事業環境に何らかの変化が生じている可能性があります。

この場合、「他社が取引先に関する何らかの与信情報を入手し、決済条件の短縮化、取引の縮小・停止を進めているのではないか」といった側面から、取引先にその理由を確認する必要があります


債権者として取引先の仕入債務回転期間を見る場合には、当社の売り決済条件と比較することが重要です。

仮に取引先の仕入債務回転期間が40日であり、当社の売り決済条件が月末締め60日後に現金入金である場合には、当社の与信期間は最長90日程度にもなりますが、当社のみ決済条件が他社よりも長くなっていることが想定されます。

そのため、取引先に他社の決済条件を確認し、当社のみが長いようであれば、決済条件の短縮交渉を検討する必要があります

おわりに

いかがでしたでしょうか。
取引先の状況を正確に把握する上で、①決算書から資金の効率性等を読み取り、取引先の事業環境に関する仮説を立てること、②取引先へのヒアリングを通して、①で立てた仮説を検証すること、また、矛盾点がないか確認すること、③必要に応じて決済条件の短縮等の交渉を行うことが重要です。

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